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お役立ち情報 vol.24.2


口腔ケアや健康についての情報を提供してまいります。

お役立ち情報

歯の構造図

前回は、1.歯の発生のうち、1)成長期の各段階の説明をしました。ここからは成長期に続く、2)石灰化期、3)萌出期を説明します。ヒトの歯の構造(右図)と見比べながら、歯の発達段階を確認してください。

1.歯の発生
2)石灰化期 せっかいかき

胎児は母体の胎盤を通して、カルシウムをエナメル質や象牙質に沈着させるようになり、硬くなっていきます。
歯冠部ができあがってくると、歯根部の象牙質がつくられ、歯根の外形が決定します。
歯胚を取りまいていた歯小嚢の細胞は分化してセメント芽細胞になり、セメント質をつくり、歯根部の象牙質を覆うようになります。
歯小嚢からはセメント質以外にも歯根膜や歯槽骨などがつくられます。

3)萌出期 ほうしゅつき

歯根ができ始めると同時に、歯は生えるための準備をします。このような状態で胎児はこの世に誕生します。
生後6か月ごろ、歯の一部が口腔粘膜を破って出てきます。

胎生16週ごろから

生後6カ月ごろから

2.歯の発生時期・成長時期の栄養

歯の発生時期における栄養条件は、歯に影響を及ぼし、歯数の過不足や構造・形態異常などがおきることがあります。
エナメル質は、各栄養条件の影響を受けやすいです。健康で丈夫な歯をつくるために、栄養バランスのとれた食事をしましょう。

1)栄養条件が歯に及ぼす影響
栄養条件が歯に及ぼす影響の表
2)発育段階別に見た歯の発育異常
発育段階別に見た歯の発育異常の表

今から30~40年前には、歯の形成期にテトラサイクリン系抗生物質を服用すると、黄褐色から褐色に着色した歯が発生することがありましたが、現在は注意して処方されているので、そのようなことはありません。
歯のフッ素症(斑状歯)は歯の石灰化時に飲料水中に過剰(1ppm以上)なフッ化物が含まれているとエナメル質に白斑、白濁が生じます。しかし、日本の飲料水の水質基準により、0.8ppm以上のフッ素(フッ化物イオン)は飲料水として許可されていません。ちなみに、日本の飲料水(水道水)は0.1~0.2ppmです。

ppm・・・百万分のいくつに当たるかを示す。濃度・存在比率などを表す。1ppm=0.0001%

中垣晴男ら 著:[改訂5版] 臨床家のための口腔衛生学、永末書店、2012年
中垣晴男ら 著:新 看護学生のための歯科学、医歯薬出版株式会社、2008年 より

まとめ文

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