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お役立ち情報 vol.36.1


口腔ケアや健康についての情報を提供してまいります。

キシリトールのお話

キシリトールのお話

1. キシリトールとは?

キシリトールは「天然素材」の甘味料です。
ガムやタブレットなどに使用されているものは、シラカバやカシなどの樹木からとれる成分(キシラン・ヘミセルロース)が原料です。
キシリトールの甘味度は、砂糖とほぼ同じですが、カロリーは砂糖の約75%(3kcal/g)です。

2. キシリトールの効果

う蝕(むし歯)の主な原因菌であるミュータンス菌は、糖類から「酸」を作り出し、歯を溶かします。
「酸」によって歯が溶かされた状態がう蝕(むし歯)なのですが、キシリトールからは「酸」を作ることができないため、う蝕(むし歯)になりにくいと言われています。
さらに、キシリトールはミュータンス菌の働きをコントロールすることができると言われています。
では、どのようにコントロールするか見ていきましょう。

  • ミュータンス菌を減らす
									通常、ミュータンス菌は糖類をエネルギー源として生きていますが、キシリトールをエネルギーに変えることはできません。
									従って、キシリトールを長期間摂っているとミュータンス菌はエネルギー不足により衰弱するため、次第に減らすことができると言われています。
									ミュータンス菌が減ると「酸」の産生量も減り、歯が溶かされにくくなります。
  • プラーク(歯垢)を改善する
									ミュータンス菌は、糖類から「酸」を作るだけでなく、不溶性グルカンを合成します。
									不溶性グルカンは、プラーク(歯垢)を歯面にしっかり付着させてしまう性質があります。
									キシリトールを長期間摂ることにより、ミュータンス菌が減ると、不溶性グルカンも減り、プラーク(歯垢)が付着しにくくなると言われています。
									落としにくいプラーク(歯垢)が減り、ブラッシングが容易になります。
    • このように、キシリトールには「う蝕(むし歯)になりにくい環境」を作る効果があると言われています。

3. キシリトール Q&A
  • Q.何歳からキシリトールを食べたらいいですか?
    A ミュータンス菌は、歯が生えるとお口の中に定着します。
    そのため、個人差はありますが乳歯が生えてキシリトールを含む製品が食べられるようになったら、 早い時期から食べると良いと言われています。
  • Q.1日のうちでいつ食べるのがいいですか?
    A 食後や間食後は、お口の中が酸性になり、う蝕(むし歯)になりやすい状態になります。
    お口の中を酸性にさせないためには、食後や間食後、すぐキシリトールを含む製品を食べると良いでしょう。
    また、長時間ブラッシングができないときや、就寝前にも食べるのも良い方法です。
  • A キシリトールの摂取量に制限はありませんが、一度にたくさん食べると一時的にお腹がゆるくなる場合があります。
    個人差があるので心配な方は少量から試してみると良いでしょう。
  • Q.ガムとタブレット、どちらが効果的ですか?
    A どちらも効果は同じですが、なるべく長い間お口の中に残っていることが大切です。
    キシリトールを効果的に利用するためには、 5分ほどかけてゆっくり食べてください。
キシリトールを含む製品の選び方

キシリトールを含む製品はいろいろありますが、なるべく多くキシリトールが配合されていることが重要です。
また、キシリトール以外の甘味料は、ソルビトール・アスパルテーム・マルチトールのような「酸」を作らないものを使用していることが大切です。
糖類が含まれている製品は、キシリトールの効果が発揮されにくくなると言われています。
シュガーレスのものを選びましょう。

キシリトール含有量の見方
品質をあらわすラベルの「炭水化物」という表示の中に、キシリトールの量が書いてあります。
一般的に、炭水化物の中の割合が多いほど(※)キシリトールの効果が期待できると言われています。
※キシリトールが50%以上含まれている製品を、1日5g以上、3ヵ月以上摂り続けるとより高い効果が得られると言われています。

栄養成分表示 1パック(14粒)当り
 熱量 34kcal
 蛋白質 0.1g
 脂質 0g
 炭水化物 15.5mg
 ナトリウム 1mg
 糖類 0g
 キシリトール 3.8g シュガーレス(キシリトール配合)
※含有率(%)= キシリトール質量/炭水化物(糖)質量×100

※デントレ通信vol.7.2「口の中の酸とむし歯(う蝕)について」、vol.9.2「代替甘味料と食品に含まれるフッ素」もご参照ください。

◎まとめ
キシリトールは、小さなお子さんから大人まで、どなたでも手軽においしくう蝕(むし歯)予防が期待できます。
キシリトールを習慣にすることで、お口の環境が改善され、「う蝕(むし歯)ができにくいお口」になると言われています。
お気に入りのキシリトール製品を見つけて、いつまでも健康なお口でいたいですね。

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