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お役立ち情報 vol.36.2

口腔ケアや健康についての情報を提供してまいります。

お役立ち情報

歯科衛生士 M のつぶやき Ⅴ

歯科衛生士M

みなさん、お久しぶりです。歯科衛生士のMです。
今回は、クリーニングのため歯科医院に来院されたある患者さんとの会話をもとに「効率の良いお口のケア」についてご紹介します。

アイコンこんなお話をしたことがあります。

患者さん

今回の患者さんは30代の女性で、仕事と子育ての両立を目指し、日々忙しくされている方です。

毎日のセルフケアでは、磨きにくいところもしっかりクリーニングをしてもらうため、患者さんと一緒に磨き残しの有無を確認することにしました。
歯科衛生士M:
きれいに磨かれてますね。
時間をかけて磨いてらっしゃいますか?

患者さん:
はい、昼は仕事で磨けないこともありますが、朝晩は時間をかけてしっかり磨くようにしています。
患者さん:
それなのに、疲れがたまるとときどき奥歯の歯ぐきが痛むんです・・・

歯科衛生士M:
奥歯の歯ぐきですね。
歯ぐきの炎症、歯肉炎は歯と歯の間から始まります。
歯科衛生士M:
歯と歯の間は歯ブラシの毛先が届かず、プラーク(歯垢)が残りやすいので、歯肉炎になっているのかもしれませんね。

患者さん:
歯肉炎ですか??
歯はちゃんと磨いているのに・・・
歯科衛生士M:
じつは、どれだけ時間をかけて丁寧に磨いていても、歯ブラシだけでは人によって全体の50%程のプラーク(歯垢)しか落とせないこともあるんです。
磨き残しの大部分は見えないところ、歯と歯の間に潜んでいるんですよ。
ですから、歯肉炎予防には、デンタルフロスや歯間ブラシを使って、歯と歯の間を磨く必要があるんです。
デンタルフロスや歯間ブラシをお使いになったことはありますか?
患者さん:
いいえ、ありません。
歯ブラシとデンタルフロスと歯間ブラシ、そんなにたくさん使いこなせるでしょうか・・・?

歯科衛生士M:
確かに、歯ブラシで磨いたあとにさらに歯間ブラシとなると、少し面倒ですよね。
わたしはいつも、歯ブラシより先に歯間ブラシを手にとります。
そして歯間ブラシで歯と歯の間を磨いたあとに、歯ブラシで全体を磨きます。
歯科衛生士M:
面倒なことは先にやってしまうのがポイントです。
それともうひとつのポイントは、歯間ブラシを使うタイミングです。
食後、ゆっくりしたいときも、とりあえずデンタルフロスか歯間ブラシだけは、手早く済ませておきます。
食後すぐなら、お口の中の細菌はまだ少ないので、ケアが簡単です。

患者さん:
細菌がまだ少ないというのは、どういうことですか?

歯科衛生士M:
お口の中には細菌がたくさんいて、その細菌は「食べカス」をエサにして生きています。

歯科衛生士M:
食後、時間の経過とともに、細菌の数が増えていくので、時間が経てば経つほど、ケアが大変になってしまうんです。
歯肉炎の原因となるプラーク(歯垢)というのは、細菌のかたまりなんです。

患者さん:
そうなんですね。
細菌が増えると歯肉炎になるんですか?

歯科衛生士M:
はい。
ですので、食後すぐに細菌を取り除いておけば、プラーク(歯垢)の増殖を防ぐ。ことができます。
わたしは、歯と歯の間に食べ物がはさまるので、時間のないときは、歯間ブラシだけ通して出かけることもありますが、歯間ブラシを通しておけば、歯ぐきが痛むことはほとんどありませんよ。

患者さん:
歯間ブラシって歯ブラシと同じくらい重要なんですね!

歯科衛生士M:
そうなんです。
効率よくお口のケアをしようと思ったら、デンタルフロスや歯間ブラシを使って歯と歯の間をしっかり磨くこと。
そして、できれば食後すぐのタイミングで使うこと、だと思います。
患者さん:
その方法なら、今より歯磨きに時間がかからないかも。
さっそく今日から試してみますね。

歯科衛生士M:
忙しい毎日、少しでも簡単に効率よくお口のケアができたら良いですよね!
健康なお口を保つためには毎日のケアが欠かせませんが、ケアの方法はいろいろあり、歯ブラシの他にも清掃補助用品の種類もたくさんあります。
歯ブラシだけで100%きれいに磨く、ということはなかなかできません。
どのような清掃方法が良いか、歯磨剤や洗口剤は何を使ったら良いかなど、ぜひ歯科衛生士に相談してみてください。
また、普段からフッ化物やキシリトールなどを上手に取り入れ、お口の中を良い環境にしておくことも大切なケアのひとつです。
ご自分の生活習慣に合ったケアの方法を選び、楽しく続けられると良いですね!

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