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お役立ち情報 vol.39.1


口腔ケアや健康についての情報を提供してまいります。

日頃の口腔清掃のお話

皆さんの中に、口を開けるとき耳の辺りで普段しないような音がする、または痛みがある人はいませんか? もし、このような症状がある人が適切な予防をしないで生活を続けると、顎関節症を引き起こしてしまうかもしれません。

顎関節とは

顎関節症になると、口を開けるとき耳の辺りで「カクカク」、「ジャリジャリ」などの音がしたり、痛みで口が開けられないなどの症状が起こります。また、習慣的に顎の関節が外れてしまう人もいるようです。口を開けるとき耳の辺りで音がすることを関節雑音、痛みがあることを関節痛といいます。

顎関節の構造で重要な役割を果たす部分を関節円板といい、上関節腔と下関節腔の間にあります。関節円板は主にコラーゲンでできており、この関節円板の中に下顎の骨がはまっているのです。

普段は、下顎の骨は関節円板にはまっているのですが、口を開けたり閉じたりする時に、関節円板と下顎の骨との間にズレが起こります。下顎の骨が元の位置に戻る時に関節雑音がしたり、ズレが戻らないと関節痛が出たりするのです。

実態調査を見てみると…

平成23年歯科疾患実態調査では下記のような状況でした。

厚生労働省「平成23年歯科疾患実態調査」最終結果

上の表を見ると、関節雑音と関節痛を自覚している人はともに女性に多く見られますが、関節円板や下顎の骨の作りなど男女の違いからこのような結果となっているのかもしれません。

顎関節症はなぜ起こるのでしょう?

詳しい原因は解っていませんが、局所的な要因としては、歯の欠損や歯列異常による咬合の不安定や喰いしばりなどの不良習癖があると顎関節症を引き起こしてしまうといわれています。 全身的な要因としては、ストレスの増加などにより、よく歯ぎしりをする人は、顎の関節に負担がかかるので顎関節症を引き起こしてしまうといわれています。

顎関節症の予防法と対処法

全国歯科衛生士教育協議会監修「保健生態学」P195,P207 2007年,医歯薬出版

人差し指と中指に力を入れ、頬や顎の関節部、こめかみを小さな円を描くようにマッサージしてみましょう。マッサージをすることで顎の筋肉がほぐれ、痛みが和らぐといわれています。参考にしてみて下さいね。

笑顔で生活するために…

歯科を受診することで自分では気が付かない癖などが分かるかもしれません。また、咬み合わせの調整や自分に合ったマウスピースを作ることで痛みを軽くすることができます。顎関節の状態は自分では分かりませんが、歯科の専門的な診断により詳しく知ることができます。関節雑音や関節痛など気になることがある人も一人で悩まず、毎日を明るく笑顔で生活するために歯科相談を受けられることをお勧めします。

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