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お役立ち情報 vol.34.2


口腔ケアや健康についての情報を提供してまいります。

お役立ち情報

おやしらずのお話

歯にはそれぞれ名前がついています。「おやしらず」という歯の名前をみなさんご存知だと思います。
今回はこの「おやしらず」のお話です。

1.「おやしらず」はどんな歯ですか?
図:永久歯列

「親知らず」・「親不知」とも書き、前から数えて8番目、大臼歯の中で最も後ろに位置します。
「第三大臼歯」が正式な名称で、「智歯(ちし)」とも呼ばれています。
おおむね10代後半から20代前半に生えてきます。親に知られることなく生えてくる歯であることがその名前の由来だとも言われています。

図左:斜めに生えるおやしらず/図右:横向に生えるおやしらず
「おやしらず」が生えるスペースがなく、斜めや横向きになっていることもあります。
2.「おやしらず」が無い人もいますか?

上顎・下顎とも左右2本ずつ計4本ありますが、もともと「おやしらず」がない人や全ての人が4本生えてくるわけではなく、上下左右の4本が揃わない場合もあります。
4人に1人の割合で全く生えてこない人もいます。
「おやしらず」の生えてくるスペースが不足している、あるいは生える方向が通常と異なるために埋まった状態であったり、傾いていてきちんと生えてこないことがしばしばみられます。

3.「おやしらず」は抜いた方が良いですか?
抜かなくて良い「おやしらず」
 1.上下きちんと生え、咬み合っている。
 2.顎の骨の中に完全に埋まっていて問題がない。
 3.入れ歯やブリッジの土台として利用する場合。
 4.おやしらずを移植して利用する場合。
 5.矯正治療でおやしらずを正しい位置に動かすことが可能な場合。

抜いた方が良い「おやしらず」
 1.おやしらず自体、あるいは手前の歯もう蝕(むし歯)になってしまった。
 2.横向きに埋まっていて前方の歯に障害を及ぼしているおやしらず。
 3.いつも食べ物がつまる、歯肉の腫れ、痛みを繰り返しているおやしらず。
 4.骨の中に完全に埋まっているが、X線写真で袋のような影がみられるおやしらず。
4.「おやしらず」が気になったらどうすれば良いですか?

まずはかかりつけの歯科医院で診察してもらいましょう。X線写真などを撮り、治療方針を決めていただきます。
抜歯対象になる場合、歯科医院で対応できないときは、総合病院や大学病院の口腔外科を紹介していただけます。

5.斜めや横向きになっている「おやしらず」はどうやって抜きますか?

麻酔後、歯肉をメスで切り、歯をいくつかに削って骨の中から取り出します。骨を削る場合もあります。洗浄後、歯肉を縫い合わせます。

※不安が強い場合は入院し、気分をリラックスさせる薬を点滴しながら行うこともあります。
また、入院の場合は上下左右4本の「おやしらず」を同時に抜くことも可能です。

◎定期的に歯科受診しましょう
おやしらずはう蝕(むし歯)になったり、周囲の歯肉が腫れることを繰り返すことが多い
といわれています。誤った自己判断で大きなトラブルにならないように、痛みや腫れなど
の症状が出たときはすぐに受診しましょう。また、定期検診を受けることも大切です。

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